熱中症と水分補給

少しづつですが暑さが増してきました。今回は熱中症と水分補給についてお話します。

水分補給の目的は「体温上昇を抑える」「発汗で失った水分を補う」など。

体を動かすということは筋肉を使うということ。筋肉を使うと熱を発生します。体内でつくられた熱を体の外に逃がすために汗をかいたり、冷たいものを飲んで中から体を冷却します。

もし熱が逃がせないと熱中症と呼ばれる、痙攣や失神、めまい、嘔吐、意識障害、過呼吸、ショック症状などの原因となってしまいます！！

熱中症は怖いですよ！！



スポーツで主に問題となるのは、その中でも熱疲労と熱射病です。

◇熱失神・熱疲労
皮膚血管の拡張によって血圧が低下し、脳血流が減少しておこるもので、めまい、失神などがみられる。顔面蒼白となって、脈は速く・弱くなる。

◇熱けいれん
脱水による症状で、脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気などがみられる。

◇熱射病
大量に汗をかいたときに水だけしか補給しなかったため、血液の塩分濃度が低下して、足、腕、腹部の筋肉に痛みをともなったけいれんがおこる。
体温の上昇によって中枢機能に異常をきたした状態。意識障害（反応が鈍い、言動がおかしい、意識がない）がおこり、死亡率が高い。

熱中症の事故は、急に暑くなったときに多く発生しています。梅雨の合間にとつぜん気温が上昇した日や梅雨明けの蒸し暑い日など．．．

まさにこれからの時期には事故が起こりやすいので注意が必要です。

そこで、こまめに水分を補給することが大切なのです！！

では、どのような物を飲むのか．．．

運動によって体から失われるものは水分だけではありません。水分のほかにミネラル（塩分、ナトリウム、カリウムなど）も汗として出て行ってしまいます。

これを補給しないと筋痙攣や低ナトリウム血症の原因となります。

お勧めは、スポーツドリンクを水で２分の１に薄めたもの！！


身体への吸収率が断然違います！！

スポーツドリンクをそのまま飲むと糖分が高すぎるのです。


運動前（１０分～２０分前）に水分補給！

運動中にも約２０分ぐらいおきに（気候や環境による）２２０～３００ｍｌほどの水分を取りましょう！

もちろん、運動後も補給を忘れずにしてください。

ちなみに酒類は水分補給になりません．．．

ドロドロ血液が気になる方は、寝る前にコップ１～２杯の水分補給、朝起きて必ず水分の補給をしましょう。冷水だと体温が下がり、血管が収縮しますので、脳梗塞を誘発する危険が高まります。高齢者の方は要注意です。 汗をかいた時や入浴後は水分の補給をしましょう。 食事中も汁物やお茶などの水分はしっかり摂りましょう。

以上、これから暑さが増してきます！！

熱中症は命に関わります。普段から必ず水分を摂取するようにしてくださいね！！

【救急処置】

熱失神・熱疲労
涼しい場所に運び、衣服をゆるめて寝かせ、水分を補給すれば通常は回復します。
足を高くし、手足を抹消から中心部に向けてマッサージするのも有効です。
吐き気やおう吐などで水分補給できない場合は、病院で点滴を受ける必要があります。

熱けいれん
生理食塩水（０．９％）を補給すれば、通常は回復します。

熱射病
死亡する可能性の高い緊急事態です。体を冷やしながら、集中治療のできる病院へ一刻も早く運ぶ必要があります。いかに早く体温を下げて意識を回復させるかが予後を左右するので、現場での処置が重要です。
体温を下げるには、水をかけたり濡れタオルを当てて扇ぐ方法、頚、脇の下、足の付けねなど太い血管のある部分に氷やアイスパックをあてる方法が効果的です。
循環が悪い場合は、足を高くし、マッサージをします。